ぼくは君がなつかしい

ほろほろ落花生

¥2,970

アウトサイダー文学の決定版、破滅派よりついに発刊!!

破滅派の創設メンバーにして、福井の眠れる天才、怒りのこども部屋おじさん、のっぴきならないロスジェネ、孤高の反出生主義者……。

ほろほろ落花生の人生と文学のすべてが詰まった全集が破滅派より発刊!

詩・散文・小説・ノンフィクション・書簡・年表のほか、高橋文樹によるノンフィクション「クロニック・ペイン」「コール・ミー」も同時収録。当事者が言葉にできなかった忌まわしい男性による性被害の記憶、そして、謎の病気による就職氷河期での転落を記す。

ISBN: 9784905197089 発行者: 破滅派 発売日: 2024.04.29 長さ: 524ページ 書店注文: 可能 商品コード: 該当なし カテゴリー: タグ: ,

説明

◼️巻頭詩
きれいな断面 ―5

◼️序文
ほろほろと生まれ変わる(高橋文樹) ―15

◼️東大仏文時代 1998-2003
ぱるんちょ祭り [小説] ―24
『田園交響楽』研究 [評論] ―50

◼️東京でストラグル 2003-2010
Re:現代文 [テスト問題] ―88
Re:現代文解答例 [テスト解答] ―112
ていうかさ [小説] ―132
対話篇 [小説] ―136
救出 [小説] ―148
だるま落とす [小説] ―152
クロニック・ペイン(高橋文樹) [ノンフィクション] ―158

◼️福井永蟄居 2010-
ぱるんちょ巡礼記 [詩] ―186
ふたり [小説] ―248
ゆすらうめ鉱 [詩] ―254
時計 [小説] ―260
リバレイト [散文] ―266
ざくろ [エセー] ―270
幸福の回収 [小説] ―280
コール・ミー(高橋文樹) [ノンフィクション] ―286

◼️反出生主義 2013-
犯人 [小説] ―310
布告 [箴言集] ―322
最後の文学者 [インタビュー] ―360

◼️イノセントほろほろ 1990-1991
90m走 [作文] ―400
地球ファミリー [作文] ―402
雪とぼく [作文] ―404
五年生の思い出 [作文] ―406

◼️付録
書簡ほか ―410
略年譜 ―476

◼巻末詩
オプンティア ―494

編者による前書き 『心を壊すような(ハート・ブレイキング)』

「中原を理解することは私を理解することだ」という言葉を大岡昇平は自身の編纂した『中原中也詩集』に寄せている。私もそんな気分だ。『ぼくは君がなつかしい ほろほろ落花生全集』を理解することは、私を理解することであるし、破滅派を理解することでもある。この奇妙な名前を持つ文芸団体の魂のような部分が本書には書かれているのだ。

この本を世に問うにあたり、私は獣を野に放つような気持ちでいる。獣の入った檻の鍵をそっと開ける。寝息を立てて上下する獣の腹に耳を当て、その強こわい毛を頬に感じながら、獣の覚醒がほど近いことを確信する。私は鍵を開け放したまま、そっと檻を出る。足音を立てないように歩み去り、離れるにつれて走り出す。だんだん息が切れてきて、度を越したイタズラの結果が恐ろしくなってくる――そんな気分だ。この本を読んだ人がどうなってしまうのか、私には確信が持てない。単なる幸福や絶望を感じてほしいわけではない。本書の核心に触れた読者の魂が根底から揺さぶられ、どうしようもなく変わってしまうことを私は期待している。

本書を編纂するにあたって、どうしても入れたかった逸話が二つある。ロスジェネ世代の勝ち組・負け組をわける分岐点についてと、男性の性被害についてである。私はこの逸話について、いつか書かれるべきだと思っていたし、書き手として、その逸話を自身が書くことを夢見てきた。思いとどまったのは、それが他でもない彼自身の物語だったからだ。今回、ほろほろ落花生自身から代わりに書くことを許された。編者という立場には分不相応な紙幅を占めるノンフィクション二篇「クロニック・ペイン」と「コール・ミー」は、それぞれ私に取って、二〇年越しの文学的宿願である。

詩、小説、文学評論、箴言集アフォリズム、随筆、書簡といった様々な形式のテキストが本書には収められている。およそ一人の人間が残すことのできるテキストの種類としては、申し分のないバラエティだ。それらの多様なテキストには、やはり一貫性が、戯れに砕いた黒曜石オブシディアンのガラス質の刃やいばのような鋭さが、秘められている。本書の核心コアを――ほろほろ落花生という才能がその魂を搾り出すようにして紡いだ文学的半生を――私は読者の胸に刻みつけたい。本書にも引かれる“heartbreaking”という英語表現があるが、その言葉通り、私はあなたの心を破壊してしまいたいのだ。

文・高橋文樹

追加情報

重さ 0.588 kg
サイズ 210 × 148 × 2.72 cm
特典

なし, サイン本

レビュー

レビューはまだありません。

“ぼくは君がなつかしい” の口コミを投稿します

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

注文を検討の書店様へ

本サイトで購入することにより、以下の条件で注文することができます。取次ルートの委託販売は詳細ページをご覧ください。
・クレジットカード払い&振込手数料なし
・買切り
・掛け率70%
・1,000円以上送料無料
・注文後30日で請求確定

注文について詳しく


掛け率
70%
請求日
30日後請求確定 注文日から指定の日数が経過すると請求が確定します。
他の注文方法
BookCellar
参考情報
版元ドットコムの情報を見る

書店として登録

  1. ユーザー登録またはログインをしてください。
  2. マイアカウントの「住所 > 請求先情報」を書店の住所にし、「書店として登録」にチェックを入れてください。